矢郷良明 LIFE philosophy @deracine5to1

思考と哲学の旅日記

パクり弁証法

◆加茂谷先生とレッドツェッペリン・ジミーペイジの話題でメールしていた時、「ヤードバーズのアルバムで《幻惑されて/Dazed&Confused》の原型が入っていたのを聞いたことあるんだけどリトルゲームでしたっけ?」と聞いたら「ライブ盤です」と即答で教えていただいて、探したら『Live Yardbirds Featuring jimmy page』と判明。
でもこのアルバム、ジミーペイジの指示で発売後すぐに回収されていて、オリジナル盤はかなり貴重品だと思う。
回収理由はよくわからないが、この「幻惑されて」はジミー・ペイジが1967年9月、ヤードバーズのアメリカ公演中に、ジャニス・イアンのライブを見に行き、偶然そのライブの前座だったJAKE HOLMESに感銘をうけ、その中でもLSDのバッドトリップを歌ったDazed&Confusedが気に入り、ジェイク・ホルムズの発売されたばかりのアルバムを買い求め、若干アレンジして、その年の12月からヤードバーズのレパートリー「幻惑されて」として演奏されていたのだ。
ツェッペリンクラッシックというCDがいまから15年前に発売され(写真がそのジャケット)この事実が発覚するのだが、それまでずっと「幻惑されて」はオリジナルだと思われていたのである。
ジェイク・ホルムズの原曲はフォークギターであの雰囲気をだしており、日本にいた早川義夫さんのジャックスっぽいのでなかなかカッコイイ。ツェッペリンファンは必聴だと思う。
そしてこんな曲をパクり世界に広めたジミーペイジの才能は、パクりだろうとやはり凄いと感嘆する。

◆たしか80年代後半くらいにミュージシャンの間でサンプリングの影響と70年代ギタリストの「実はパクりが多い」っていうのをオマージュして、確信犯でのパクりが流行っていてことがある。リフをパクったり、ギターソロをパクったりがよくあった。
それ以来、ミュージシャンの間では『パクりはリスペクトの表れだから、正当である』という常識があるのだ。
◆『リスペクトパクり』はプロレスにもたくさんあって、レスラーのほとんどがいろんな、名レスラーの大から小まであらゆるところをパクっている。
パクり相手が現存していて、本人に指摘されたら「ビッグリスペクトしてます」と言えばなんとかなるだろうし、マスコミ関係者に言われたら「これはサンプリングだから」と言えば「サンプリング」の意味が皆よく判らないので大丈夫なのである(笑)
またパクりがトゥーマッチになったら「パロディですから〜」と逃げる方法もある。

◆このツェッペリンクラッシックにはパクりのネタ元やカバーした曲など、25曲収録されているが、ジョニーバーネットやマディーウォータース、ハウリンウルフ、ジョンリーフッカーなど私もブルースロックバンド時代に演奏したことがあるブルースマンの曲がたくさん収録されていて親近感がある。
中にはサイケデリックのはしりのバッファロースプリングフィールドのフォア ホワット イッツ ワースも収録されており、サイケデリックに凝っていた頃はこの曲やヒューマンビーンズのNOBODY BUT MEやエレクトリックプルーンズの今夜は眠れないなど演奏していた。