WNC 西村修解体新書 弍
天才、矢郷良明先生の好評連載第二弾!
「西村修解体新書〜弍〜」
先月、新宿フェイスで西村修とリングで対峙した帰りに偶然、西村修の控室の前を通りかかったら、強烈な葉巻の匂いがした。
彼はヨーロッパ崇拝者である。
西村修はプロレスファンの持つイメージとはまったく違う選手である。
一種のトリックスターである。
WNCにはそういうのが集まる磁場があるようだ。
そんな西村修は新日本プロレス、ヤングライオン杯優勝後、93年8月から米国武者修行フロリダにてヒロ・マツダ氏の訓練を受けている。
ヒロ・マツダ氏は海外在住の日本プロレス界草創期からの超トップレスラーであり、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンの伝承者の一人でもある。
ヒロ・マツダ氏の教えを乞うた選手は日本人、外人も含め一流選手はかりである。
また一時期、西村修はドン・ジャーディン氏にも教えを乞うている。
このドン・ジャーディン氏はカーニバルレスラー出身で、マスクマンとして日本プロレスに来日、ザ・ブッチャーと名乗り、ジャイアント馬場さんとも引き分けておられる。
その後、ザ・スポイラー、スーパー・デストロイヤー(オリジナル)と名乗って活躍していた。
ドン・ジャーディン氏はアンダーテイカーさんのコーチでもあり、ロープ渡りはこの方がオリジナルでもある。
西村修は帰国した後も海外修行をしており、94年新日本プロレスから帰国命令を拒否し、95年にECWやフィラデルフィア、デトロイトなどのインディ団体に出場し、何故かオランダのクリス・ドールマン道場に行ったり、そしてイギリス・ウィガンに行き、ビリー・ライレー・ジムでロイ・ウッドにコーチを受けている。
1997年には、日本代表としてオットー・ワンツ氏のCWAキャッチトーナメントに参戦し、トニー・セント・クレアー氏の指導を受けている。
実際、西村修のファイトスタイルはジャパニーズプロレスでもアメプロでもない、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンの流れを汲んだ、ヨーロピアンレスリングスタイルである。
これだけで西村修はハッタリではなく、本物であることがお判りだろう。
相当な手練れ、実力者である。
そしてその実力・実体を、キャラクター作りやマイクアピールで見る者を麻痺させ、ファンには別のパブリックイメージを与えているのが更に恐るべきところである。
西村修はゴッホやゲーデルのように、毎日観えない世界が観え、聴こえない音が聴こえてる生活を送っているのかもしれない。
素晴らしい。
さすが政治家になるくらいである。
こんな西村修の世界をフルに引き出せるのは希代の天才、矢郷良明くらいであろう。
そういえば私は前々から、慶應大学通信教育課程 法学部 甲類(法律科)の入学を考えていたのだが、偶然、西村修も慶應の通信教育課程 文学部 第一類(哲学科)らしい。
縁があるな西村修。
矢郷良明先生の連載を読めるのはWNCだけ!
