矢郷良明 LIFE philosophy @deracine5to1

思考と哲学の旅日記

アイコノクラスト

◆新聞を読んでたら7月に『敵こそ我が友』というフランスで制作されたドキュメンタリー映画が公開されるとの記事があった。

これはナチス残党、クラウス・バルビーのドキュメンタリーであり、本を読んだこともあるので大変興味深い。

ナチスの残党でゲジュタポの責任者だったクラウス・バルビーは、戦後ナチ戦犯と同様に名前を変え逃亡してたが、ナチス時代の拷問尋問テクニック、インテリジェンス能力、ヒューミント、そして反共思想に目をつけたアメリカが彼を工作員として雇い匿った。
しかしアメリカもナチス戦犯の追及から抗しきられず、アメリカが南米へ逃亡させる。
南米にはナチス残党が多く、その中心者となってボリビアで武器密輸、情報収集活動で巨万の富を築き、武器会社を設立。
当然その後ろ楯はアメリカ国家。
そしてバルビーはアメリカ情報局と連携し、キューバ革命成功後、ボリビアにてゲリラ活動を開始したチェ・ゲバラの殺害に成功。
「こんな奴、世界対戦中ならとっくに死んでた。ゲバラなんてただの冒険家だよ(笑)」と死んだゲバラの遺体に吐き捨てたらしい。

そんなバルビーのあからさまな活動にナチス戦犯への国際社会からの厳しい追及を受け、フランスに護送され戦犯法廷の被告人となった。

フランスでは死刑が廃止されているので終身刑を言い渡される。
そして8年後にガンで獄死した。

バルビーは終身刑の判決の場で「あんた達全員が俺を必要としたのに、裁かれるのは俺独りか。まさに偽善だな」と言い残した。

バルビーの言う「あんた達」にはドイツもアメリカも指しているが、全人類のことも揶揄している。

このドキュメンタリー映画は題名からも意味深で、国家悪を告発すると同時に、人間の持つ性悪に対するをアイロニーを表しているような気がする。