矢郷良明 LIFE philosophy @deracine5to1

思考と哲学の旅日記

両鏡相対し影像なし

◆前に読んだビルロビンソンさんの自伝をまた読み流す。
国際プロレスのDVDを観てばかりいるので、ビルロビンソンさんのレスリングがいかに素晴らしいかは実感している。
ビルロビンソンさんのレスリングは現在のアマチュアレスリングとは違い、イギリス発祥のキャッチ・アズ・キャッチ・キャン(捕まえられものなら捕まえてみろの意)という関節技や締めまでを含んだレスリングで、それがアメリカに渡りプロレスのルーツになったらしい。
アメリカのプロレスはキャッチ〜とは言わず、シュートと呼び名を変えている。この自伝の中で大切な真理を書いておられる。
「100%のモノをひとつ持っていれば何か他のスタイルを学んだ時にその100という力が150にも200にもなる。」と。
100%のバックボーンが無い人間が、あれこれ技術を足し算しても、一つ究めた人間には絶対勝てないということである。
これはあらゆる世界の真理であると思う。

◆私は剣豪小説が好きで、柳生宗矩宮本武蔵塚原卜伝上泉伊勢守柳生石舟斎、柳生兵庫助など読んだが、どれも書いてあることは似ていて、ビルロビンソンさんの書かれたことのように「一芸究めぬ者に用は無し」といったこと雰囲気のことが随所に書かれている。
そして「究めぬ者は運も掴めない」といったことも書かれている。
◆私は思うが、どんな世界でもある程度、真面目に努力を続けていればチャンスは訪れる。
しかし、技術・心理の『究めた極意・確信』がない者は、大事なチャンスを掴むことは絶対にないと思う。
勝負は一回きりで、「次」は無いという、背水感も判らないだろう。
◆ましてや「本番で失敗する」という人間は、最も大切な「勇気」がないからそんなことになる訳で、技術以前の問題である。
柳生石舟斎の「裁相口伝書」には《勇のこと》という一節があり、結局、剣術の秘伝・奥底には勇気しかないと書かれている
『キリムスブ・カタナノシタコソ・ジゴクナレ・ミヲステテコソ・ウカブセモアレ』というものである。

どんな努力も勇気の無さには生き栄えることはない。
かのナポレオンも『真正の才知は豪気の精神なり』と箴言録で語っている。
まさに「臆病にて叶うべからず」である。
一流の人間になるには、まだまだ、程遠い道程であるとつくづく感じている。