矢郷良明 LIFE philosophy @deracine5to1

思考と哲学の旅日記

インスタントカーマ

◆能学笛方藤田流十一世宗家、藤田六郎兵衛さんのインタビューを読んだ。

日本の楽器は音が出にくく作ってあり、その為に演奏者の個性が色濃く出るという。

また、能管(能笛)は場面によって強弱をつけず、絶えず力強く吹くのだそうで、それにより音の無い部分が際立つという。

世阿弥が花鏡で「せぬ隙(技と技の間)」と言った動きのないところの動きを見せる、ということと同じことらしい。


◆「日本の楽器は音が出にくく作ってある」というのはとても重要なポイントだと思う。
西洋音楽の楽器は誰にでも弾きやすく、誰にでも聴こえるように、大きな音が出るようにできている。


西洋音楽は皆で楽しむモノ、東洋音楽は個人が芸を究めてアートリテラシー(芸術認識能力)の高い人が楽しむモノって印象が強いのはこの為なのかもしれない。

西洋音楽もいまではプロツールズがあるので誰にでも曲は作れるし、アートもそれ用のソフトで「それっぽく」書くことができしで誰でもアーティストになれる時代になった。

こんな時代だから篩にかけられるくらい、敷居の高いこと、取っ付きにくいことは重要なことだと思う。

篩にかかったり、敷居が高いことって選民思想っぽい感じがするが、平等って皆と同じになるのが平等じゃなくて、差異を認め合うことだから、誰でもできることが良いことではないと思う。

なんとなくジョン・レノンのインスタントカーマって曲を思い出した。

でもこの曲、ビートルズの愛こそはすべてとコード進行が同じだったと思う。
この部分もインスタントなのは皮肉か。